不登校 悩まず気楽に

体験生徒ら熱演 府立桃山高の定時制学園祭 全員でアイデア、脚色 (京都新聞1999/10/28)
 中学時代のつらいいじめや不登校の体験を、生徒たち自身の手で脚色した演劇が26日夜、府立桃山高(京都市伏見区)定時制の学園祭で上演された。定時制高生の3,4割に不登校経験があるといい、劇を見守っていた生徒から大きな拍手がわき起こっていた。

劇のタイトルは「イエスタディ・アンド・トゥディ」。同高2年の生徒24人が参加した。学年主任の吉松敬二教諭の指導で「何を演じるか」から議論を始め、参加した生徒の半数以上が不登校体験者だったことから、不登校をテーマに決めた。

全員でアイデアを出し合い、「いじめで不登校になった女子生徒が、今は転校して別の学校に通う友人からの電話で立ち直り、定時制高を受験するまで」と、「さまざまな体験を持つ定時制高の生徒の姿」を描く2部構成の脚本を完成させた。

脚本、舞台作り、せりふ合わせまでの上演準備は、主に午後9時過ぎの放課後に行った。学園祭1週間前からのスタートだったが、無事上演にこぎつけた。当日は裏方の生徒たちが見守る中、出演者たちは会場の体育館で全校生徒を前に感情を込めて熱演、大きな拍手を浴びていた。

脚本担当の横関聡さん(16)は「不登校になっても悩まず、気楽に行こうよというメッセージを送りたかった」と企画の意図を説明。田中敏秋教頭は「集団になじめなかった生徒たちが、共同で劇をつくれるまでに成長した姿はすばらしい」と話している。